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脳トレ

  • 2015年9月16日
  • 2025年2月2日
  • 2019-2015
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今年は早くから台風が日本本土に接近し、或いは上陸して、暴風・豪雨さらには土砂災害や大洪水の甚大な被害をもたらしている。五月には二個、六月には二個、七月には四個、八月には三個、九月にはすでに二個の台風が発生している。極めて早いペースでの台風の発生は、さらに十月、十一月にかけてもっと強烈な本土直撃の来襲があろう。しかも双子や三つ子のように並んでやって来る台風が多いのも今年の台風の特徴である。南太平洋マリアナ付近で発生し、初めは沖縄列島に襲いかかり、やがて九州、近畿に暴風と豪雨の災害、そして東海や関東、さらに東日本に大きな風雨・洪水の災害をもたらしている。戦後70年でもあるまいが、なにかサイパン・テニヤン島から飛来する米軍B29の大編隊による非戦闘地域である全国各都市への空襲が想起される。最後のとどめは広島・長崎の原子爆弾というシナリオだけはあって欲しくない。もっとも私は戦後の生れであり、空襲も原爆も実は体験していない。

ところが、毎日テレビで台風の被害の状況が目の前に生々しく影像として報道され、災害の現場に立ったかのような疑似体験が出来る。これほど台風に関わる災害の現場を目にすると、本当に今の日本は大丈夫かなと心配になる。古来中国では天変地異が起こるのは為政者に徳がないからであると言われている。そういえば台風だけではない。地震、火山噴火などいずれも天変地異である。毎日全国各地から自然災害の報道のない日がないくらいである。日本列島はまさに沈没寸前かと思われる。よその国のことなどを構っている場合ではない。足元が揺らいでいるようでは、国土防衛もあったものではない。国民の生命と平和と安全は、治山治水と福祉でもって、身を固めてこそあるものであろう。古来為政者のするべき事はそれに尽きる。

さて、話を戻そう。テレビの映像の効果は抜群で、手に取るように目の前に繰り広げられる災害の悲惨さは本当に気の毒としか言いようがない。そういう被災地に住む人々の生活がいかなることになるのではと気を揉むがどうしようもない。災害から逃れている自分の身の幸せを密かにほっと安心するのである。しかしテレビを見ていて気がついた事がある。毎日毎日災害報道ばかりが続くと嫌でもテレビ画面を注視することになる。今は気象庁や各自治体の防災対策が進んでいるせいか、事前に様々な災害情報が発表される。まずは避難準備情報、次いで、避難勧告、そして最後に避難指示という事らしい。さらに大災害特別情報というのもあるらしい。これは何十年に一度あるかないかという極めて過酷な災害を想定した発表らしい。避難準備情報は大きな災害の起こる事が想定されるため、避難の準備をしなさいということ。避難勧告は災害が間近の迫っているから安全な場所に早めに避難して身の安全を確保しておきなさいということ。避難指示はもう大災害は目前に確実に来襲するので、猶予なく直ちにお逃げなさいという行政命令らしい。

そこで各自治体からの指示が発表されると、必ず、テレビの画面にテロップが流れる。例えば「避難勧告が A県B村C地区○○世帯囗囗人に出されました。公民館や学校など安全な避難場所に避難してください。」という事である。和歌山県南部、奈良県南部を襲った豪雨災害、土砂災害の時に、テレビは次々に各地区に対する避難勧告を読み上げ、テロップが流れた。そこで気がついたのは世帯数と住民の数の比例である。つまり世帯数に対して住民数が少ないのである。結論は簡単である。一世帯当たりの住民が少ない、もっと言えば、二以下である。夫婦二人世帯ではなく、独居世帯が多いと言うことである。恐らく高齢一人住まいの世帯が多いということであろう。そこで、それからこのようにすることにした。

世帯数×2と住民数を比較することにした。

「○○地区の世帯数×2=・・・>住民数囗囗」の場合は、世帯数×2よりも、住民数が少ないので、過疎化が進んだ独居世帯の多い地区であろう。

「○○地区の世帯数×2=・・・<住民数囗囗」の場合は、一世帯当たりの人口が2よりも多いと言うことは、夫婦・子供など二人以上の同居家族の多い世帯の地区であろう。おそらく市街地か都市部であろう。

そこで、次々に流れるテレビのテロップの数字に即座に×2を暗算する。

例えば

甲乙県いろは村平和地区 3017世帯、住民5843人に避難指示とくると、直ちに3017×2=6034>5843人 と計算される。すなわちこの村はおそらく過疎地区の村であろうと。また、丙丁県にほへと町和平地区 5870世帯、住民13159人に避難勧告とすると、直ちに5870×2=11740<13159人 と暗算する。すなわち同居する家族の多い、多分市街地や都市部であろうと。

次々と映し出されるテロップの数字に2を掛けてゆく。2を掛けるだけだから簡単かというと、即座に計算するのはなかなか難しい。いい意味での「脳トレ」にはなったが、今の日本の地方の実情がほの見えてきた。都市部と農漁村地区の家族構成の格差である。過疎地の災害対策や救援活動と大都市部の人口集積地での災害に対する対応に格差があってはならない。しかし実態は豪雨や暴風、さらに土砂災害、大洪水など、多くは災害対策の遅れた過疎地や地方で頻発している。東京や名古屋などでも今度の台風が襲来して多くの困難をもたらしたが、ほとんど被害が出ていない。またテレビや新聞などの報道は大都市のニュースは大きく取り上げても、過疎の村の被害状況はほとんど無視されている。東京では暴風雨で電車がわずか一時間ほど止っても何万人の足に影響したとして大きく報道される。しかし過疎の村の道路が土砂崩れで寸断して、一週間たっても一ヶ月たっても復旧せずとも、また一時間に一本も走らない田舎の鉄道の運休のことなどは報道されない。

ところが、例えば、大都会東京ではこうなる。
「東京都△△区凸凹町長田地区の148295世帯356835人に対して、避難準備情報が発令」とくると、早速身構えても、148295×2=?????? もう暗算が困難となる。脳トレも前期高齢者である、過疎化した脳には無理のようです。美しき日本の自然が無残にも崩壊して行くのをみるのは忍びない。陰陽師安倍晴明の占いに将来にわたって兇と出ないことを祈るばかりである。

平成27年9月17日 平安の寓居にて

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